哲学

フェイクニュースとは何か?定義・特徴・対策

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この記事では、フェイクニュースの定義、特徴、対策について書いてあります。

フェイクニュースの定義

フェイクニュース(虚偽報道)とは、文字通り、虚偽(フェイク)の報道(ニュース)です。

ここでは、いくつかの辞典などから、フェイクニュースのより正確な定義を引用してみます。

デジタル大辞泉

主に、ウェブサイトやSNSで発信・拡散される、真実ではない情報。時に、マスメディアが発信する不確実な情報についていうこともある。政治的な目的で世論を操作するため、運営するウェブサイトのアクセス数を増やすため、ただ単にセンセーショナルでおもしろいからなど、さまざまな理由で発信・拡散され、その影響力が大きいことから社会問題となっている。

株式会社VOYAGE MARKETING、コトバンク、フェイクニュース

Collins English Dictionary

false, often sensational, information disseminated under the guise of news reporting

Collins English Dictionary、fake news

Cambridge Dictionary

false stories that appear to be news, spread on the internet or using other media, usually created to influence political views or as a joke

Cambridge University Press、fake news

以上の定義には、単に虚偽なだけでなく、インターネット上を拡散する点が共通点として見受けられます。

すなわち、嘘の情報でもとりわけ社会に影響を及ぼしうるようなものである、ということができそうです。

フェイクニュースの特徴

フェイクニュースの要素として、情報生態系の観点から、主に三つの要素があると指摘されています。

By now we’ve all agreed the term “fake news” is unhelpful, but without an alternative, we’re left awkwardly using air quotes whenever we utter the phrase. The reason we’re struggling with a replacement is because this is about more than news, it’s about the entire information ecosystem. And the term fake doesn’t begin to describe the complexity of the different types of misinformation (the inadvertent sharing of false information) and disinformation (the deliberate creation and sharing of information known to be false).

To understand the current information ecosystem, we need to break down three elements

Claire Wardle、Fake news. It’s complicated.
  1. 種類(The different types of content that are being created and shared)
  2. 動機(The motivations of those who create this content)
  3. 拡散(The ways this content is being disseminated)

上記の引用記事では、フェイクニュースの種類・動機・拡散について例示されています。

フェイクニュースの種類

  1. 風刺やパロディ(satire or parody)
  2. ミスリーディングを招くコンテンツ(misleading content)
  3. 虚偽のコンテンツ(imposter content)
  4. でっち上げられたコンテンツ(fabricated content)
  5. 誤ったつながり(false connection)
  6. 誤った文脈(false context)
  7. 操作されたコンテンツ(manipulated content)

フェイクニュースの動機

  1. 質の悪いジャーナリズム(Poor Journalism)
  2. パロディ(Parody)
  3. 扇動やいたずら(to Provoke or ‘Punk’)
  4. 情熱(Passion)
  5. パートナーシップ(Partisanship)
  6. 利益(Profit)
  7. 政治的影響や権力(Political Influence or Power)
  8. プロパガンダ(Propaganda)

フェイクニュースの拡散

  • ソーシャルメディアで確認されないままリツイートをクリックしてしまうことで知らず知らずのうちにシェアされている(Some of it is being shared unwittingly by people on social media, clicking retweet without checking)
  • ソーシャルメディアで起きたことをリアルタイムで理解し報道することについて今まで以上にプレッシャーを受ける状況にあるジャーナリストにより増幅されている(Some of it is being amplified by journalists who are now under more pressure than ever to try and make sense and accurately report information emerging on the social web in real time)
  • 世論に影響を与えようと熱心に試みているゆるくつながった集団によって押し出されている(Some of it is being pushed out by loosely connected groups who are deliberately attempting to influence public opinion)
  • ボットのネットワークとトロールの工場を通じて精巧な誤情報キャンペーンが広まっている(some of it is being disseminated as part of sophisticated disinformation campaigns, through bot networks and troll factories)

フェイクニュースの対策

以上に見てきたフェイクニュースに対して、どのように対策すればよいのでしょうか。

上記の記事では、最後に”What can we do?”として、以下のように主張しています。

We all play a crucial part in this ecosystem. Every time we passively accept information without double-checking, or share a post, image or video before we’ve verified it, we’re adding to the noise and confusion. The ecosystem is now so polluted, we have to take responsibility for independently checking what we see online.

Claire Wardle、Fake news. It’s complicated.

確かに情報を共有する際に慎重になることは個人でできる対策としては情報生態系にとって有効ですが、すべての人間が事実を確認してから情報を吟味して発信するのは現状では現実ではないこと、さらにはフェイクニュース自体はインターネットのない頃から政治的手法などの形で存在したものの、現代の場合はソーシャルネットワークの構造的な問題もあるため、簡単に対処できる問題ではないと考えられます。

また、自分と異なる思想・信条の持ち主に対し、「あなたの主張はフェイクニュースである」と言うような人物がいる場合、一体どうすれば「誰が真実を語っているのか」を第三者の客観的な立場から、容易に見極めることができるのでしょうか。

フェイクニュースと向き合う上で重要なことは、もはや何が究極的な真実かを判断するのが難しい現代の情報環境において、あえて客観的な真理を簡単には判定できないと謙虚に受け止め、「ある人物がこのように発言していた」という事実のレベルにおいて、ありのままに情報を受け止めることではないでしょうか。

古代ギリシャでは懐疑派の哲学者が判断中止を意味する「エポケー」という判断を控える態度を実践していましたが、我々も判断に疲れてしまった時は、あえて現象学的に物事への判断を「かっこ」に入れることをおすすめして、本記事を締めます。

参考文献

本記事は、笹原和俊氏の著書「フェイクニュースを科学する」の第一章「フェイクニュースとは何か」を参考にしました。

この場で御礼を申し上げます。また、興味のある方はご一読を推奨します。

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