VR

「遊び」と「イノベーション」の関係性

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2021年12/9~12/11に第4回筑波大学発ベンチャーシンポジウムが開催されました。

基調対談も筑波大学発ベンチャー紹介もそれぞれ特色が表れていて面白かったです。

https://twitter.com/sclipcom/status/1468488841648807937?s=20

今回のイベントのテーマは「遊び心から生まれる面白い発見と起業家たち」でした。

「イノベーション」を起こすには「遊び」が必要である、とはよく言われています。

「遊び」の要素も役立つのかもしれない。遊ぶことが好きなイノベーターのほうが、予想外のものを見つける可能性が高い。アレクサンダー・フレミングいわく、「私は微生物で遊ぶのが好きだ」。二重螺旋の共同発見者であるジェームズ・ワトソンは、模型を使った自分の研究を「遊び」だと表現した。グラフェンを発明したアンドリュー・ガイムは「遊び心がつねに私の研究のトレードマークだ」と言っている。

マット・リドレー. 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する (Japanese Edition) (Kindle の位置No.4236-4240). Kindle 版.

政府(文部科学省・経済産業省)も教育関連でさまざまな取り組みを実行しています。

特許庁の職員もデザイン経営の観点で遊びとイノベーションの関係に言及しています。

仕事においても遊びは大事です。デザイン経営を実践している企業さんって、社内外のいろんな人々が出会えるフリースペースがあったりします。そこで、さまざまな人々が意見をぶつけ合うことで、新しいアイデアや企画が生まれています。

今までのこの資料を作りましょうといった、きっちり決められた仕事を何時までにやるというのとは違うアプローチからイノベーションは生まれています。結論ありきではなく、論点もなく議論をすることは、遊びにも近いじゃないですか。そういう時間を新しいものを生み出すための職務と呼ぶのか、遊びと呼ぶのか。子どもだけじゃなく、大人の仕事の中にも遊びがないと新しいものが生まれないことは、みなさんも感じられていると思います。

PLAY DESIGN LAB、「あそび」と「イノベーション」の共通点とは?/特許庁 審査業務部長 西垣淳子さんインタビュー

さらに、知の深化に偏重した日本企業は知の探索をしなければならないとも言います。

近年、多くのメディアが「日本企業にイノベーションが足りない」と語る。もちろん表層的には様々な理由があるだろうが、世界標準の経営理論からみれば、その根底にあることは同じだ。すなわち「日本企業の多くが、コンピテンシー・トラップに陥っている」のである。

逆に言えば、企業がイノベーションを取り戻すには、自社を様々なレベルで「知の探索」方向に押し戻し、両利きのバランスを取り戻すことが決定的に重要なのだ。図表2で言えば、下の濃い矢印から上の薄い矢印へ押し戻すことだ。本章の理論が提示するのは、バランスの良い、高いレベルの「両利き」を目指すことこそが経営の本質ということだ。

DIAMOND ONLINE、入山章栄、「深堀り」ばかりしていると自己破壊しかねない理由『世界標準の経営理論』で学ぶ「両利きの経営」

Marchの論文では探索(Exploration)と深化(Exploitation)を次のように定義します。

Exploration includes things captured by terms such as search, variation, risk taking, experimentation, play, flexibility, discovery, innovation. Exploitation includes such things as refinement, choice, production, efficiency, selection, implementation, execution.

March, J. G. 1991.“Exploration and Exploitation in Organizational Learning,” Organization Science, Vol.2, pp.71-81.

興味深いのは、Explorationが含むものでplayとinnovationが並列されたことです。

ここでは「遊び」=「イノベーション」という同語反復の可能性すらうかがえます。

今まで「いんちき遊び」や「20%rule」などが「手段」として取り上げられました。

将来はイノベーションの「結果」として遊びが取り上げられることもあるでしょう。

一つはイノベーションによって人間が働かなくても良い時代が実現する可能性です。

もう一つはVRによって現実より低コストで理想的環境で遊びが実現する可能性です。

たとえば2016年はVR(仮想現実)が本格的に普及しだしたけど、10年もすればVRで打ち合わせするなんてことも当たり前になっていると思う。今でもスカイプはあるけれど、大事なミーティングは対面で、というケースが多い。それは2次元の世界では相手の仕草や表情、その場の空気感などが伝わりきらないからだ。でもVRがあればそれを補完できる。ということは社員全員が仮想空間(バーチャルオフィス)で仕事をする会社も生まれてくるだろうし、そうなってくると家賃の高い東京に住む必然性が薄れてくる。遠方の友達と遊びたくなったら、VRでプチ海外旅行でもすればいいのだ。それに地方に行けば中古の一戸建てが数百万で買えたりするし、自治体によっては無償で提供するところもある。そこで共同生活をすればさらに生活費がかからない。ということはフルタイムで働く必要すらなくなるということだ。

家入一真. なめらかなお金がめぐる社会。 あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1344-1352). Kindle 版.

ベーシックインカムで生活し、仮想現実で「遊ぶ」時代が近いのかもしれませんね。

参考図書

表紙をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。


人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する (NewsPicksパブリッシング)


世界標準の経営理論


なめらかなお金がめぐる社会。 あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。

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